最初に、各社へ同じ調査条件を伝える

見積もりAは金曜の3時間、見積もりBは土日を含む10時間パックでは、数字を並べても比較になりません。まず、各社へ伝える条件をそろえます。

  • 調査したい候補日と時間帯
  • 対象者が出発する場所
  • 徒歩、電車、車などの主な移動手段
  • よく行く場所や帰宅時間の傾向
  • すでに相手が警戒しているか
  • 調査の目的と、必要と考える報告内容

分からない項目は「分からない」と伝えて構いません。推測を事実のように伝えるより、確認済みの内容だけをそろえるほうが、各社の提案条件を比べやすくなります。

見積もりを比べる7項目

1. 調査員は何名か

「1時間○円」が調査員1名分なのか、チーム全体の料金なのかを確認します。人数が書かれていなければ、見積もりを出した担当者へ質問し、書面に追記してもらいます。

人数は少なければよい、多ければ安心という単純な話ではありません。対象者の移動手段や場所に対して、なぜその人数が必要なのかを説明できるかを見ます。

2. 最低契約時間と延長の決め方

時間と延長については、次の三点を比べます。

  • 最低何時間から契約できるか
  • 延長は30分単位か1時間単位か
  • 予定時間を超える前に、依頼者へ確認が入るか

「現場の判断で延長」と書かれている場合は、延長の上限と連絡方法を聞きましょう。最終総額を管理するうえで、単価以上に重要な項目です。

3. 経費はどこまで含まれるか

車両費、交通費、駐車場代、高速道路代、宿泊費、機材費などが、基本料金に含まれるか別途かを確認します。

実費精算なら、事前に想定できる金額、上限、領収書や明細の扱いも聞きます。「経費別途」だけでは、あとから総額がどれほど変わるか分かりません。

4. 報告書に何が含まれるか

報告の形と料金を分けて確認します。

  • 報告は口頭のみか、写真や時刻を含む書面か
  • 報告書の作成費は見積もりに含まれるか
  • 追加部数やデータ提供に別料金がかかるか

何のために調査するかによって、必要な報告内容は変わります。事実を知りたいのか、その後の話し合いに使いたいのかを相談時に伝え、報告書の見本を見せてもらえるか聞いてもよいでしょう。

5. 調査中はいつ、どの方法で連絡が来るか

調査中に連絡があるのか、延長前だけなのか、終了後にまとめてなのかを確認します。連絡手段も、電話、メール、LINEなどから自分が受け取りやすい方法を伝えます。

対象者と同居している場合は、連絡してよい曜日や時間帯も重要です。見積もり比較の時点で対応方法を聞いておくと、依頼後の行き違いを減らせます。

6. 成功の条件と、結果が出ない日の料金

「成功報酬」と書かれているなら、何が確認できたときに成功となるのかを、具体的な文章で確認します。対象者が外出したら成功なのか、特定の相手との接触を確認したら成功なのかでは意味が違います。

国民生活センターは、期待した調査結果が得られなくても、契約どおり調査が実施されていれば支払い義務が生じるのが一般的だと案内しています。空振りの日や途中で見失った場合に、どの費用を支払うのかも聞きます。

7. キャンセル・解約料

契約後、調査日の前に予定が変わることもあります。キャンセル料がかかり始める日と、解約時の金額を比べます。

  • 調査日の何日前からキャンセル料がかかるか
  • 調査員や車両を手配した後にキャンセルしたらいくらかかるか
  • 契約全体を解約するときはいくらかかるか

「キャンセル規定による」とだけ書かれているなら、その規定も一緒に受け取りましょう。

二枚の見積書を同じ表へ書き写す

見積書の項目名が違っていても、自分で次の表に移すと比較できます。

二枚の見積書と質問用の付箋を並べるユキエと相談者
合計額だけでなく、二枚の見積書に書かれていない条件を質問として並べます。

スマートフォンでは、表を左右に動かして確認できます。

比較欄 A社 B社
調査日時・最低時間
調査員数
基本料金(税込)
含まれる経費
別途経費と上限
延長単位・延長確認
報告書
成功条件・空振り時
キャンセル・解約
想定する最終総額

ここで空欄ができたら、安い方へ決める前に質問します。答えが口頭だけなら、見積書や重要事項説明書へ反映できるかを確認してください。

ユキエ:見積もりは、数字が書いてある欄より、何も書いていない欄のほうが大事なことがあるの。空欄を埋めてもらってから、初めて二枚を比べられるよ。

契約前後に受け取る書面も確認する

警察庁の案内では、探偵業者は契約前に重要事項を説明する書面を渡す必要があります。契約後は、契約内容を明らかにする書面も渡す必要があります。営業所には、届出をしたことを示す標識の掲示が必要です。

面談では、次の書類や表示を確認します。

  • 営業所に掲示された「標識」
  • 契約前の重要事項説明書
  • 契約内容を示す書面
  • 料金表と見積書
  • キャンセル・解約規定

業界団体への加盟は参考材料の一つにはなりますが、加盟しているだけで見積内容が自分に合うとは限りません。書面の中身と説明の分かりやすさを合わせて見ます。

その場で決めないほうがよい見積もり

次のような状態なら、いったん持ち帰って別の事業者と比べましょう。

  • 人数や時間を聞いても「一式」としか説明されない
  • 追加料金の条件や上限が分からない
  • 成功の定義が口頭でも曖昧
  • 解約料を質問しても書面を見せてもらえない
  • 今日契約することを強く求められる
  • 質問するたびに、見積もりの前提が大きく変わる

相性の良さも大切ですが、親身な雰囲気だけで契約内容は確認できません。こちらの条件を聞き、なぜその調査体制になるのか、追加料金がいつ発生するのかを説明できるかを見ます。

二社・三社へ同じメモで見積もりを頼む

二社か三社へ相談するときは、同じメモを読み上げるか、同じ項目を送ります。そのうえで、各社の提案が違う理由を聞きます。

相談時の質問例

  1. この条件で、何名・何時間を想定しましたか?
  2. 見積総額に含まれない費用はありますか?
  3. 延長前に連絡をもらえますか? 上限を決められますか?
  4. 調査できなかった日は、何に対して支払いが発生しますか?
  5. 報告書の見本と、追加費用の有無を確認できますか?
  6. 見積書を持ち帰って比較してもよいですか?

回答が違うこと自体は問題ではありません。対象者の移動方法に対する考え方や、必要な報告内容の捉え方が違う場合があります。大切なのは、違いの理由を自分が理解できることです。

説明の分かりやすさと連絡方法も比べる

条件と総額が近い見積もりなら、次の点も判断材料になります。

  • 質問への回答が見積書に反映されるか
  • 不明点を急かさず説明してくれるか
  • 調査が難しい条件も率直に説明するか
  • 連絡方法と担当者が明確か
  • 契約しない選択をしても見積書を渡してくれるか

安さだけでなく、契約後も同じように条件を確認できそうかを見てください。調査中に延長や日程変更が起きたとき、話が通じる相手かどうかは総額にも関わります。

ユキエ:相見積もりは、探偵さんを値切るためだけじゃないの。自分の条件を言葉にして、説明の違いを確かめるために取るもの。分からないまま契約しない、それでいいんだよ。

追加費用を確かめてから、二枚の見積書を比べる

二社へ同じ調査条件を伝え、見積書を受け取ります。七項目の空欄を埋めてから、総額を比べましょう。

合計金額が安くても、別途経費や延長条件が曖昧なら最終総額は読めません。反対に、金額が高く見えても、必要な費用が含まれ、追加条件が明確なら判断しやすい見積もりです。

まず無料相談を使って同じ条件を伝え、その場で契約を急がず、見積書を持ち帰って並べましょう。分からない欄を質問し、その答えが書面に残るかまで確認してください。